電気だけのチカラでは乗用車までなら何とかなるけれど、トラックやバス、そして電車などの重量のある『運輸用の車両』を動かすためには力不足になってしまう。動き出してからずっと動いていれば問題ないが、停止→駆動→停止を繰り返す場合には、初動の際に必要な駆動エネルギーが電池の容量を食ってしまい、すぐにバッテリー切れを起こしてしまう。
F1やトヨタ系のガソリンハイブリッドは、燃料を燃やして駆動する『エンジン』と電気をバッテリーに貯蔵して駆動する『モーター』を、どちらかを単独に動かすのではなく上手に組み合わせ、一つの『パワーユニット(PU)』として使うため、最小限の化石燃料で、300キロを超すマシンや、バスやトラックなど大型の車を動かす事に成功している。
我々が認識すべきは、すでに世界は「物流」なしで経済が支えられない。
すべての経済活動は、原料の輸送→生産装置→物流拠点→消費者と流れる事で動く。データ以外の「モノ」は、物流が無ければ一般消費者が手に入れる事が出来ないのだ。
その物流は、上記の「運輸用車両」なしには廻らない。
要するに、経済を維持しながら化石燃料を制限したいなら、超重量の運輸用車両への対応策が必要だという事だ。
さらにトヨタは、水素で走るバスや「水素エンジンのレーシングカー」を実験的に稼働させている。
ハイブリッドのエンジン部分を水素エンジンに置き換えれば、現在の『ハイブリッドシステムによるPU』の技術を流用して、化石燃料を必要としない『運輸用車両』を維持できる駆動システムが出来上がるという算段だ。
脱化石燃料への選択肢は様々あるが、2023年初頭の段階で、先の『経済を維持しながら脱炭素』を考えれば、「水素エンジン+モーターのPU」が現実的で、普及するための障害も少ない。
一次的に特許を持っている会社が優位に立つが、技術革新とはそういうものだ。
2022年のロシアの暴挙で、液化天然ガスに頼る産業は打撃を受け、先進国はインフレのリスクに襲われることになった。
資源の乏しい日本が、この先経済を安定させ、産業の優位性を担保するためにも、水素による「脱化石化」を積極的に推進すべきと思う。
策の無い首相にはぜひ、旗振り役を買って出て欲しい願う。